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「私、20歳で死ぬと思ってたんです。」 ― 夢に向かうミュージカル女優京大生の思い ―

2017/06/30 11:14 公開
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ミュージカル女優として様々なミュージカルに出演し、舞台にも立った京大生・中野さんを取材しました。中野さんにとって「夢」とは?
「ミュージカル?何がいいの?」と思う人も必見!この記事を読んだ後にはすぐにでも舞台を見に行きたくなるはず!

ミュージカルに出演!?




―いきなりですが、ミュージカルに出ていたんですか?


はい。役者としていろいろな団体の舞台に出ていました。


去年の夏にはオーディションに受かって、ずっと憧れだった梅田芸術劇場で『ズボン船長』というミュージカルにも出演できました。



― “レ・ミゼラブル”や “ラ・ラ・ランド”で最近話題ですが、ミュージカルはいつからやってたんですか?


中学1年生の時に部活で始めました。


人前で自分を表現するのが苦手だったから自分を変えたいと思って。

新しいこと始めるのも良いかなー、位の軽い気持ちだったんですけど。



―でも中1からといえばもう10年ほどですよね! それほどのめり込めたのはなんでだったんでしょう?


始めてみて色々な役に向き合っていると、役になりきればなりきるほど違う人生を生きられる感じがしたんです。


色々な人の人生を経験できるのが楽しいんですよね。






—違う人生を生きたつもりになれるくらい役に入り込む、ってすごいですね…


いろんな人に感情移入できることで、自分の価値観も変わってきて、自分の幅も広がったと思います。



―ミュージカルって練習とか大変そうなイメージがありますが


確かに大変で、特に昨夏の舞台は練習もハードでしんどかったですね。

一日中朝から晩まで練習で腹筋はバキバキ、足もパンツスーツが入らないくらいでした(笑)






−うわー無理です私(笑)
やめたいって思ったりしないんですか?


ないですね。

本番でうまくいったときの喜びが、つらさに勝っちゃうので。


うまくいったときって、凄くわかるんです。自分の実感も、拍手の大きさも全然違う。



「20歳で死ぬと思ってた」




ー中野さんにとってミュージカルはこれまでの人生の中心だったようですが、その原動力は一体どこから来ているんですか?



私、20歳で死ぬと思ってたんです。




―え??!


もちろん精神論的な意味で笑。


自分が大きくなってお母さんみたいになるのが信じられなかった。

でも親は小さいころの話を教えてくれる。


その辻褄を合わせようと思いました。



人生にはフェーズがいくつかあって、その時に体の本体だけは入れ替わる。

記憶だけはそのまま更新されていく、そう考えたら解決できるなって。



―今まで生きていて考えたこともなかったです(笑)


実際どうなのかは今もわからないです。

でも、今でもいつ死ぬかわからないって思っています。



だからその時に絶対後悔したくない、今一番興味があることに一番時間を割きたい。



だからミュージカルも先延ばしにできない、20歳で死んだときに後悔するって思ったんです。






―なるほど……。常に全力で人生を生きているんですね。



新たな夢




でも今はミュージカル女優になることは考えていません。






―え?! 夢をあきらめたんですか?


高校の時、親がミュージカルの道に進むことに反対でした。


でもどうしても大学でもミュージカルがやりたくて。

実は京大に入ったのもミュージカルをやりたかったからなんです。



―ミュージカルがしたくて京大に!? どう繋がるんですかそれ?


親はそれなりに大学にちゃんと行ってほしいっていう思いがあり、私もどうしてもミュージカルをやりたいっていう思いがありました。


京大なら入ってから自由で、中でも経済学部は自分のやりたいことに時間を費やせる、って聞いて、目指すことにしたんです。



—そんな志望理由初めて聞きましたよ……


京大にはミュージカルをやっているサークルがなかったんで、外部で探してその都度オーディションを受けて舞台に出ていました。



―ではなぜミュージカルをやめてしまうんですか?!


もともと親が反対していて、大学生でやめる!と期限を決めてミュージカルをしていたんです。


昨夏、『梅田芸術劇場の舞台に立つ』という自分の長年の目標を達成できて、そこで一度自分の気持ちに区切りがつきました。






-それだけ大事な夢を実現できた舞台だったんですね。


それでもっと広い世界を見たいと思って、就職活動することに決めたんです。



―ってことは、もうミュージカルとは離れてしまうんですか?


いえ、ミュージカルが大好きなのは変わらないので、これからも何かしらの形でずっと関わっていくつもりです。


思っているのは日本にミュージカルをもっと芸術として広めたい、定着させたいということですね。

そのための方法を試行錯誤している途中です。



―演じる側から、広げる側に回るわけですね。


日本にはイギリスやアメリカのように、ミュージカル俳優の夢を持った子がいても応援されるような風土がありません。


自分が親から反対されたこともあり、その環境を変えたいなと。

私のような理由で夢に挑戦できない子を、一人でも減らしたいです。



―ミュージカル女優という夢があったからこそ、今の夢があるんですね。



あなたがミュージカルを見るべき理由




とにかくミュージカルに少しでもいいから興味をもってほしいんです! 

ちょっと魅力を語らせてもらってもいいですか!



—ぜひ! 私も興味が出て来ました!


ミュージカルの一番の魅力は生のパワーです! 


ミュージカルは色々な曲でできていて、もちろんソロとかデュエットとかもあるけど、大人数でのナンバーも数多くあるんです。

団体でのパワーがあるミュージカルは、その分与える感動の振れ幅も大きいんじゃないかと思います。






—確かに、力強いイメージあります!


『ミュージカルは突然歌いだすから理解できない〜』ってよく聞くけど、その歌こそがパワーの源です。


役者が歌う時ってすっごいハッピーなことがあったり、苦しいことがあったり、何かしら強く感情が動いているとき。


その感情を音楽の力と歌の力、時には踊りの力を借りて大胆にバーン!と伝えてくれるのがミュージカルの歌なんです。



―歌があってこそ、パワーのこもった感情が伝わってくるんですね!


それと、特にミュージカルにはメッセージ性が強い作品が多いんです。


人をその世界に引き込んで楽しませながら、『違う価値観』を与えられるっていう魅力もあります!



『レント』というLGBT(セクシャルマイノリティー)の人に焦点をあてたミュージカル映画を見たときは特に、見る前と見た後では、全然考え方が変わったなと思います。


LGBTの人達に対しての偏見が多少なりともあったんですが、心理的な距離が縮まったなって。



—見るだけで考えが変わるようなパワーが、ミュージカルにはあるんですね。


そういう自分が変わるような体験がたくさんあったのも、 ミュージカルにハマった大きな理由なんです。



まずはコレ! 初心者に見て欲しいおすすめミュージカル!




―最後に、中野さんオススメのミュージカルを教えてほしいです!


“ウィキッド”と“レ・ミゼラブル”です!



“ウィキッド”は初めて見る方にもおすすめです。


大迫力なミュージカルっぽい曲もたくさん聞けて、衣装や装置も豪華なのでみてて圧倒されます。


話もオズの魔法使いがベースなのでわかりやすく、友情をメインにしているため男女年齢問わず誰にでも楽しんでもらえると思います。



“レ・ミゼラブル”はミュージカルの代表作なだけあって、曲自体が良く、まさに「パワー」を感じるナンバーが多いです。


見ごたえがあってきゃぴきゃぴもしてない(笑)から、大人なミュージカルが観たい人には見ていただきたいです。



―どちらも有名な作品ですね!どっちを見るか迷います(笑)


ちなみに“レ・ミゼラブル”は今年公演予定があるのでぜひ!!



初めて観にいくなら、少し高いけど騙されたと思って1階席のできるだけ前の方の席で見てもらいたいですね。


2階の後方とは比べ物にならないほどのパワー。飛んでくるものが違います!



—せっかく行くなら一番いい場所でいいモノを、ということですね!

観に行く人が増えれば、業界自体が大きくなって、よりハイクオリティーな舞台ができるようになるし、目指す人も増えて役者のレベルもどんどん上がっていく。


そしたら舞台のクオリティーがあがって……というように良い連鎖が生まれるはずです!



まさにそれが、私が目指していることなので、ぜひ見に行って欲しいんです!



―ぜひ見に行かせていただきます!!
これからもミュージカルを浸透させるために頑張ってほしいです!今日はありがとうございました。