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『あなたの特色は、何色?』~特色入試の実態に迫る~

2017/06/26 23:33 公開
profileうどん戦士

昨年度から始まった京都大学の特色入試。しかしその詳細はいまだ謎のヴェールに包まれたまま。そこで今回は、大学でもレアな特色入試の合格者を招いて入試の体験を語ってもらうことに。いざ、特色生の赤裸々なトークをご覧あれ!

特色入試、という言葉を聞いたことはないだろうか?


京大では、昨年度から新たな入試の形として、面接や論文といったAO型の入試を導入しており、これが特色入試と呼ばれる。
昨年度には81名、今年度には120名この入試によって合格した。

この記事を書いてる自分も法学部の特色入試の合格者である。

しかし、特色入試は学部によって形式が違うこともあってか、多くの学生がその内容を知ることは余り無いように思える。

これは何とも勿体ない。

よって今回は教育、法、薬の3学部出身の特色出身の学生による座談会を開いて、詳しく話を聞くことにした。

座談会メンバー
S君 教育学部2回 Pumpit所属
Uさん 薬学部1回 ピカピカの1年生
K君 法学部2回 国際法学研究会所属
T(私) 法学部2回 本記事の執筆担当

『Q1、Youは何故に特色に?』

☆教育学部、S君の場合


S:僕はもともと教育に興味があって、高校時代にも個人研究とかしていたんです。だから今回の入試でもそういったことが役に立つかと思って。

T:高校時代からですか!まさに特色って感じで凄いですね。

S:いや、学校の授業でそうした分野に触れる機会が割とあったので。そこで興味をもって自分でも広げてみたって感じです。
今回が初回ということで意外と穴場かもなと思いました。

T:なるほど。授業をうまく生かしたって感じですね。そういった授業があること自体貴重ですし。
何より、「普通の受験に関係ないから」とかいって適当にサボったりせず、自分で見識を深めていったのは偉いと思います。



☆薬学部 Uさんの場合


U:私はどうしても京大に入りたくて、薬学部にはIELTS5.5以上またはTOEF-ibt70代以上という出願制限があるのですが、私は前者に該当したのでチャンスを生かそうと応募しました。

T:英語、得意だったんですか?

U:別に得意でも無いんですよ…むしろ苦手意識はありましたし。ただ、うちの学校は文科省の指定するSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されていて、タイやカンボジアに海外交流に行く機会もあったので、英語を鍛えられたのかもしれません。

T:あ、それ知ってます!うちの学校も申請は出してSGH予備軍みたいなのになってました。貰える予算額は全然違うみたいだけど(涙)

S:あ、うちの学校もSGH指定されてましたよ(笑)

T:。。。


T:となると、高校時代から語学研修のような仕組みがあったということですね、高校でそういう機会があるのはかなり大きいかもしれません。



☆法学部 T&K君の場合



T:さて、我々が何故特色を受けたかというと…

K:端的にいうと、前期で落ちたからですね(笑)

T:間違いない(笑)特色といっても法学部だけは実質後期入試みたいなもんです。

K:だから他の学部みたいに高校時代の凄いエピソードが無いのが申し訳ない…。

S:いやいや、後期で入ってくるのは充分凄いですよ!因みに前期はどこを受けてたんですか?

T:僕は東大の文Ⅰで、

K:僕が東大の文Ⅱです。

S:やっぱ東大が多いんですか?

T:そうですね、あくまで自分の年は、ですが割合としては東大がかなり多いです。でも勿論前期京大の人も一定数いましたし、今年は同じくらいとも聞きましたよ!

K:センターの割合が大きいのも、9割程度の得点が目標となる東大志願者が多くなる所以かもしれませんね。まわりを見ても9割越えている人がけっこういました。

T:…(←9割取れなかった人)


T:話が少し逸れましたが、なぜ後期で京大を選んだかというと、もともと人文社会系の論文を書くのは得意で、京大から高校にサンプル問題が配られていたのですが、それを解いた感触が良かったからです。
あと、初回で皆が敬遠するだろうという予想や、単純に志望校を京大より下げたくないというのもありました。

K:それはそう。東大が後期を廃止した一方京大では今年から始まったので良かったです。後はセンター試験の得点も参考にしました。

『Q2、特色入試の流れは?』

☆課題と面接の試練~教育学部&薬学部の場合~


S:まずは一次審査の書類提出が10月にありましたね。

T:いわゆる、学びの設計書、報告書ってやつですか?

S:はい、高校時代の活動実績に加えて、社会に出てからしたいこと、とかも書きました。あとは調査書とかも提出が必要でした。

U:薬学部でも調査書や学びの報告書が必要で、加えてIELTSのスコア表も提出しました。

T:一次審査を乗り越えると今度は京大で二次審査ですね。いつでしたか?

S:京大に来たのは11月下旬頃です。この時には10人程度まで絞られてて、皆で試験前に話をしてたのを覚えてます。

T:二次審査の内容は二人とも筆記課題と面接?

U&S:そうですね。


S:筆記は三時間で、教育に関する英語の論文や資料を読み取って、日本語で自分の意見を書く、といった方式でしたね。
因みにテーマは「少年非行」についてでした。

U:薬学部も似たような感じではあるんですが、小論文というよりは、記述問題ですね。
三時間で英語の化学生物の文章を読んで日本語で答案を書きました。
その後の面接では7人もの教授と30分ほど、自分の興味のある薬のメカニズムについて話しました。


T:だいぶ難しいことを聞かれましたね…!うまく答えられたんですか?

U:あまり(笑)多分興味がどれだけあるかを試したかったのだと思います。

S:僕の時は30分×2の面接で、しかも結構な圧迫面接という印象を受けました。福沢諭吉の「学問のすゝめ」についてどう思うか聞かれて、予想外すぎてしどろもどろながらも語りました。

T:まるで某難関私立大学みたいですね…(笑) 圧迫面接だった、とは?

S:ある教授がいて、皆その人に厳しいことを言われたみたいです。中には、「あなたの人生には一貫性がない。」と言われた人もいるとか…。

T:教育学部でも高校生にハードルの高いものを求めますね…!因みに二次審査の後は何かありましたか?

S:その後は普通にセンター試験を受けましたね。

T:センター試験、必要だったんですか??

S:そうなんですよ!よく勘違いされるけどちゃんとセンター受けてるんです(笑)
得点化はされないけど、目安として8割以上の得点が求められていました。
なので、実際に試験を受けたときは8割は絶対に取らなくては、というプレッシャーが凄かったですね。

T:そうだったんですか!僕も初耳だったんですが、やはり基礎学力もちゃんと見られていたんですね。

☆実質的には後期入試~法学部の場合~


T:法学部に関しては前述したように他の特色とは少し形式が違って、寧ろ後期日程入試みたいな感じです。
僕らも後期って言う方がしっくりきます(笑) 出願したのはセンター後、自己採の点数を見ながらって感じです。
辛口なT進なんかのリサーチではE判定を叩き出して塾の先生に止められたのを覚えています。

K:配点としてはセンター点270点、小論文が100点で採点されます。
センターの点まず足切りがあって、今年は倍率が24倍から20倍まで減らされたのですが、僕らの時はありませんでした。

U:そんなに倍率高かったんですか?

T:といっても前期で受かった人は来ないので実質はもっと少ないですよ。昨年は当初は16倍だったけど、実質は8倍くらいだった気がします。

K:毎年3月13日に京大で小論文を書くのですが、この数日前が合否発表、前日には落ちた人に不合格通知と得点開示が届くので、メンタルはボロボロですね(笑)

T:そのメンタルを立て直してなんとか試験を受けたって感じです。
論文のテーマは「個人の自由」と「ソーシャルタイラニー(暗黙のルールに反した人に課される、社会的な負の制裁)」。日本語と英語の文章を読んで自分の意見を書きました。

K:そして合格発表が3月の末って流れです。

『Q3、特色ってどんなフレンズ?』

T:因みに皆さん同期の定員は何人ですか?

S:6人です!僕の時は合格者は5人でした。

U:3人です!

K:21人です!


S:法だけ異常に多いですね(笑)

T:いや、逆に他の学部が凄い少ないなって思いました(笑)
経済とかも25人とか聞いてたのでそんなものかと。

因みに同期には皆さんどんな方がいましたか?

S:うちは僕以外全員女子でした!人数が少ないので全員知り合いですね。
受験の時に結構喋ったりするのですが、皆自分の考えや問題意識を持っていてしっかりした人ばかりです。

U:私のところも全員女子でした!まだあまり知らないですけど…

K:女子が多いと言う点では、今全国的な流れで、地方の公立(共学)と都会の私立(男子校)との学歴格差を無くそう、という試みもあってか、女子の高学歴層増加が図られているみたいです。
それが背景として多少影響してるのかもしれません。
因みに、今年度の法学部特色も女子の方が多かったみたいです。

T:法の特徴としてはまず東大落ちが多いこと、僕らの年は7、8割くらいがそうでした。後はツイ廃が多いことがありますかね(笑)
また、将来の志望(法曹や官僚)が入学時点で決まってる人も多いです。


T:といっても、サンプルがまだ1年、2年分くらいしかないのでどの学部もはっきりとしたことは言えませんけどね…

『Q4、特色あるある~良かったこと、悪かったこと』

☆良かったこと


S:良かったことは早めに進学先が決まったこと!下宿とかが割と空いてたので選び放題でした!!

U:早めに決まったらメンタルも楽ですしね!

T:進学できたこと!京大に来るきっかけになったし、予備校に通わなくてよくなったので。

K:僕は落ちたら浪人せず私立に行くつもりだったので、国立に進学できて良かったなぁと。

S:特色同士の繋がりも出来ますよね。

T:良い感じに意識の高い方が多いのかもしれないけど、なんか波長が合うなって人が多いですね。
別にいつまでも特色っていう枠にしがみつくつもりは全く無いけど、せっかくなのでコミュニティーの1つとして大事にしたいなぁとも思います。それに下の代の特色の後輩たちにも会ってみたいし。


☆悪かったこと


T:逆に特色で悪かったことってありますか?

S:裏口入学扱いされること!!

U:あ~、やっぱりそうなんですか?

S:前期よりも楽、ってイメージがあるみたいで、友達から良く弄られたりするので、最近は寧ろこっちからネタにしてますね(笑)

T:話の種にしちゃったら美味しいですもんね~。でも、実際はちゃんとセンター受けて基礎学力が裏付けされてるのに、って思うと不憫ですよね…

S:そうなんですよ(笑)あとは入試期に友達とギクシャクしたり・・・

U:先に合格が決まると気まずくなりますよね…

S:それもやけど、二次審査の後で塾とかでセンターの勉強をしてると、友達から「なんで特色で勉強要らんのに塾来てんねん」て、思われたのか雰囲気が悪くなったりしたり…

T:色々と考えなあかんの大変ですね…


S:後期はどうだったんですか?

T:裏口入学扱いとかは無かったのでそこは良かったらです。逆に凄いやんて言われる時もあります。実際はそんな事ないと思いますけど。

僕らの悩みとしては、さっき皆さん家が選び放題て言ってたけどこっちは逆で、家が無い!てなりましたね。もう前期の方が入っちゃってるので…

K:合格決まるの三月末でしたからね。

T:合格の翌翌日に京都に飛んでいって、見つかったのはキッチンスペース除いたら四畳半くらいの物件で(涙)もう神話体系ができそう。

S:狭いっ!!

K:僕はそんな監獄みたいなのでは無いんですけど、人気の北白川とか元田中エリアは一杯だったので、三条方面に住んでますね。



T:後は家だけじゃなくて、書類面でも苦労しました。合格してから書類が届くので…

S:入学書類って、けっこう複雑でしたよね。あれを三月末の時期にするとか…凄く大変なんじゃ…

T:そうなんですよ!書類の提出〆切の日に家に届いたりとかありましたね。

K:法学部特色入試だけは別に対応します、みたいな。多分最初の年だから大学の業務側も対応が難しかったとこもあるのかもしれませんね。


☆(前期)入試の話が分からへん…


T:良い悪いの括りか分からないんですが、特色あるあるとして、「普通の入試の話が出るとついていけない」てのがあると思うんです。前期の問題解いてないから。

K:それめっちゃ分かるわ。

S:とりあえず知ってるふりして相づち打ったりしてますよね(笑)

T:そうですね~、和訳とかで何が出た、数学の難易度がどうで何完できた、とかいう話が出てきても分からないから「それな!」とか言いながら皆の話の断片をつなぎ合わせてこんな問題やったんかな、と想像してました。

K:やっぱあるんですね、どこの学部にも共通するあるあるネタって。



☆東大コンプを乗り越えて(法)


T:多分各学部ごとにも面白いのがあると思いますよ、うちはそういえば、最近Twitterで「京法後期あるあるbot」ていうのがあって、それ見たら入学当初「東大路通り」が「ひがしおおじ」と読めない、どうしても「とうだい…みち?」てなる、とのこと。不覚にも分かる~て思いました(笑)


S:やっぱあるんですか(笑)なんか東大への憧れというか何というか。

T:うーん、勿論京大に受かったことは本当に良かったし、一方でついに自分の手が届かなかったモノへの憧れは確かにある。現状の充実や満足とifへの憧憬は、両立するものと思っているので。

T:昔ネットの掲示板で「東大コンプなんか取っても役に立たないのに。」みたいなコメントを見たことがあります。
あくまで私個人の話ですが、確かにコンプレックスが全く無いと言えば嘘になります。
でも私はコンプレックスを持つこと自体は問題でなくて、要はその使い方が功罪になるのだと考えます。
確かに僻んだまま何もせず四年間過ごすのは良くないことです。でも、落ちた悔しさをバネにして「東大に行った人たちに負けてたまるか!」と勉強や課外活動に熱心に取り組むモチベーションになるのなら、結果的には構わないんじゃないかと思います。

K:僕も前期に受かってたら経済志望だったので多分法学に触れる機会は無かったと思います。でもこうして京大法学部に来て、今いるサークルの国際法に触れる機会ができたのは良かったと思います。大学に入っても遊んでばかりでなく、打ち込むことを見つけられたので。

T:こう言う彼は今では国際法を極め、こないだ模擬裁判のアジア大会に出てきた逸材です!そう考えれば京大法の特色も早速成果が出ているのかも。

K:それは言いすぎ。

T:話がそれましたが、まぁそこは人によって多少はあるかもしれないし、あったとしても上手く活用できれば良いんじゃない、個人の自由やし、て感じです。

ぶっちゃけ、入学直後ならともかく今も気にしてる奴はそういないかと。

くどいようですが、僕らを拾ってくれて、日々学ばせて貰っている京大へはすごく感謝してます。

K:でも誰なんだろうね、京法あるあるbotの中の人。

T:分からないですね…勿論俺ではないし、知人も皆違うって言ってたので。ただ、俺の四畳半も書かれてたから知り合いな気はする…。
☆教授があなたをロックオン!(教育、薬)

T:教育や薬には学部特有のあるあるってありますか?

U:ありますよ!薬学部では先程述べたように面接で多くの教授達と会うんですけど、そのせいか入学したときには顔を知ってもらってる状態なんですよ!だから教授と知り合いになれるっていうメリットがあります。

S:わかります!僕の教育学部でも、そもそも募集された人数が少ないこともあってか、面接の時に試験官をなさってた先生方が僕の顔を覚えてるんですよね。

T:なるほど、人数が少ないということはそういうとこでも影響してくるんですね。その分一人一人への期待も大きいでしょうし。

S:そうなんです。だからいい成績を取ったときなんかは誉められるから良いんですけど、逆に悪い成績が取れないんですよ!それに、もし仮に授業中にウトウトしようものなら、後で先生と鉢合わせした時に「あれ今日○○君寝てなかったっけ~?」とか言われるので気が抜けません(笑)その意味では、かえって真面目に授業を受けるので良かったことかもしれませんけど!

T:入学後堕落していく京大生が多い中で、一種の特色組へのアフターサービスみたいな感じにもなってますね!

『Q5、最後に、受験生にアドバイスは?』

T:これまで、色々な事をお伺いしてきましたが、最後に僕らの後輩になるかもしれない、特色入試を受けようと考えている受験生に一言お願いします!

S:前日は変に気負わずリラックスして!ですね。これに尽きる。
僕はプレッシャーがかかって、本番で普段と比べてあまり良くない結果になったので。いつも通りの結果が出せれば良いと思います。

U:私もその通りだと思います!緊張してプレッシャーがかかったら実力もでないし。

K:後は、気持ちを切り換えることですかね。やっぱメンタル大事。

T:必要以上にセンターリサーチ等に身構えず、とりあえず挑戦すること。真面目に言うなら、小論対策にかけられる時間は少ないので、日頃から自分の中で思想体系(二元論or多元論、性善or性悪説、現実主義or理想主義とか)をかる~く作ってたら楽かなと思います!本とか読んで。

T:この記事を見て少しでも特色入試に挑戦してくれる高校生が増えたら嬉しいです!今日は皆さん、お忙しい中参加していただきありがとうございました!


S,U,K:ありがとうございました!


2017.4.3.Mon.

※以上の座談会での発言はあくまで個人の体験、見解であることをご了承下さい。