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京大生インディーズ演歌歌手・大和一郎 ~演歌は’’縁’’歌 漕ぎ出せ京大船~

2017/05/22 14:55 公開
profileあーさー

「『NHKのど自慢』や『THEカラオケ★バトル』に出場した京大生’’演歌’’歌手がいるらしい」

京大生で、NHKのど自慢・・・? THE カラオケ★バトル・・・? 演歌歌手・・・?
そんな人がいると聞いて、我々サンロクマルが黙ってるわけがない!

京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻1回生
大和一郎さん(本名:藤倉大和)


氷川きよしみたいな人? あるいはジェロみたいな人?
とにかくとんでもなく個性的な人がやってくるのではと身構える取材者。


……そこに現れたのは、なんとも優しそうな雰囲気の好青年でした。

ーー演歌を、されているんですよね……?

大和一郎さん (以下、大和) :はい。1年前の春、4回生の時からインディーズ演歌歌手として活動しています。

―― (マジだ!)
あの、『THE カラオケ★バトル』に出たとお聞きしたのですが……

大和 :出た、というか、放送はまだで、5月24日なんですけどね。

―― (マジだ! そして超ホット!) ぜひ色々聞かせてください! よろしくお願いします!

小学生にして演歌に惚れ込む

―― 一体いつから演歌を聴いていたんですか?

大和 :小学校6年生の時から好きでしたよ。

―― 小学校6年生! 僕ら世代だとたとえば、修二と彰「青春アミーゴ」とかORANGE RANGEとかですよね普通? どんなきっかけで?

大和 : 親の影響が大きいですね。父が演歌好きで、家族でドライブに行く時に、カーステレオで演歌をよく流してくれました。それを聴いていて自然と好きになりました。

―― そんな渋い小学生なかなかいませんよ (笑) 演歌のどの部分が気に入って好きになったんですか?

大和 : まずはストーリー性ですね。演歌って「艶歌」や「怨歌」と言われることもあり、時には死を連想させる歌詞が登場します。
四季折々の日本の風景とともに描かれる、その大袈裟なまでに起伏のあるストーリーの虜になりました。
そして、こぶし(小節)といわれる、演歌特有の節回しにも惚れ込みました。


―― 小学生で男女の悲哀物語に惹かれたってどんな小学生なんだ……! なんでそのストーリー性を気に入ったんですか? その年で、もうそんな渋い恋愛とか経験してたんですか?

大和 : いや、恋愛経験はありませんでしたよ (笑) 同年代の子供より少しませていただけかもしれません (笑)

――早くもただならぬ人物であることが見えてきました……

中学の文化祭で演歌!?

―― ちなみに演歌を歌い始めたのはいつ頃からなんですか?

大和 : 中学2年生のときです。その時期に中学で選択授業があって、体育、家庭科、音楽などの中から1つ選ぶという形式でした。その中から、僕は音楽のギターコースを選択しました。そして先生に、演歌が好きだということを告げると、「文化祭で演歌を歌ってみなさい」と言われまして・・・

―― 文化祭で演歌! 結構な無茶振りですね (笑)

大和 : はい (笑) しかし、もともと大阪人特有の「いちびり」気質(お調子者)だったため、無理難題には感じませんでした。

―― さすがの度胸。初舞台はいかがでした?

大和 : おかげさまでたくさんの生徒や先生、保護者の方に見ていただき、「すごいね」って褒められました。
これが本当に嬉しかったですし、人前で歌うことが気持ちいいことだと気付いたんです。実際に文化祭で歌った楽曲は鳥羽一郎さんの「兄弟船」でした。

―― 演歌を学園祭で堂々と歌い上げる中学生……! 当時から歌は上手だったんですか?

大和 : 今と比べると、技術的には全然ダメでした。自分自身の中で、少し勘違いが混ざっていたと思います。
しかし、おそらく周りの方の優しさがあったのだと思います。あの時褒めてもらっていなければ、多分人前で歌うことはなかったですね。

―― 歌って人に喜んでもらえる嬉しさに、目覚めたわけですね!

京大で演歌バンド結成

―― それ以来、演歌一直線って感じでしょうか?

大和 : いえ、それから大学の2回生まではライブで演歌を歌うような機会はあまりなかったですね。

――そうなんですか? でも大学4回生の春にはインディーズ演歌歌手として活動し始めたんですよね? 再び演歌に力を入れ始めたのには、何かきっかけがあったんでしょうか?

大和 :所属している軽音楽部で、学部3回生の11月祭の時に、演歌のコピーバンドを結成したことですね。

―― 軽音楽部で演歌!? 演歌と最も遠い音楽ジャンルな気がしますが・・・

大和 : 僕がいる京都大学軽音楽部には、ジャズやレゲエ、ヒップホップなど、さまざまなジャンルの音楽をしている方がいます。
この軽音楽部に入った時は、ポップロックバンドに所属していました。このバンドでは一部楽曲の作詞作曲をしたうえで、ギターボーカルを務めていました。

―― 演歌から浮気してた時期があったわけですね。

大和 : しかし、軽音楽部には個性の強いオリジナルバンドがたくさんあり、劣等感を感じていました。そこで、もともと好きだった演歌をもう一度やってみようと思うようになったんです。

―― 11月祭を期に、再び演歌で勝負に出た、というわけですね。

大和 :実際に西部講堂のステージで演歌を歌ってみると、ステージの上での感触や、観てくださっている方々の顔が非常に良くて。中学2年生の時の、あの文化祭の時の感覚を思い出すのは自然なことでした。
「やっぱり僕が歌うべきなのは演歌だ。僕がなりたかったのは演歌歌手なんだ」と、稲妻が体を走り抜けました。

―― 改めて、目醒めてしまったと。

大和 : 同時期に、図らずも「男のブルース」という曲が出来ました。

―― 演歌を作っちゃったんですか!

大和 : 作ろうと意気込んだわけではなかったのですが、自然とできてしまっていたというのが正直なところで。

―― そんなことがあるのか……

大和 : そこから、「大和一郎とムーディナイツ」という「演歌を作って歌うバンド」を結成したんです。

―― そこが始まりだったんですね!

大和 : 軽音楽部には、自作曲で自らを表現したいという人がたくさんいて、それに賛同してくれる部員もたくさんいて。その環境があってこそ、「演歌でバンド」という挑戦も受け入れてもらえたんだと思います。

―― そこからは演歌を自分で作って、「大和一郎とムーディナイツ」で演奏しているわけですね。

大和 : 演歌となると他ジャンルよりも、作る上での恐れ多さはあります。しかし、作ってみないことには何も始まらないので。

ーーそれで作れちゃうのがすごいですが……

大和 : このバンドでここまでで2回のライブをさせて頂きましたが、いずれも好評を頂きました。
西部講堂においても演奏させて頂きましたよ。現在、メンバーの都合で少し休止していますが、近いうちにこのバンドのメンバーで、レコーディングを行なう予定です。

縁が繋いだ演歌の道

ーーそこから演歌歌手として本格的な活動が始まったわけですね。

大和:たまたま知り合った方が演歌・歌謡曲好きの方で。その方が、近いうちに四条河原町でバーを始めるということで、「うちの飲み屋で歌ってみないか」と誘っていただいたりして

――そんなことあるんですね (笑)


大和 :そして、そのバーと同じ系列であり、出町柳にある飲み屋さんでも歌わせて頂くことになりました。
それからまた、そこの店員さんの紹介で、太秦にあるお寺で歌わせて頂く機会を頂きました。

―― 本当に人の繋がりで続いていってる感じなんですね。

大和 : 本当に縁の力は不思議ですね。
まだまだ未熟なのは承知の上ですが、このような経験をさせていただいて自信もつき、次第にプロの演歌歌手を目指す気持ちが強くなりました。

――ついにプロへの道を意識し始めたわけですね。

大和 :インディーズ演歌歌手・大和一郎として活動を始めてもうすぐ1年となる2017年初春に『NHKのど自慢』に応募することにしました。
ありがたいことに予選を勝ち抜き、本戦に出場させて頂く運びになりました。

―― 『NHKのど自慢』といえば、あの有名な鐘を鳴らすやつですよね! 

大和 :このとき歌わせて頂いたのは、村田英雄さんの「王将」でした。この曲には、大阪の将棋棋士・阪田三吉が東京に勝負にしに行くときの気持ちが描かれています。僕も大阪出身なので、自らの「東京でプロの演歌歌手になりたいんだ」という強い気持ちを阪田三吉に重ねて、自信満々に歌いました。

―― ちなみに、鐘はいくつ鳴ったのでしょうか?(興味津々)

大和 :恥ずかしながら、結果は鐘2つでした。
気持ちがこもっていただけに、正直悔しかったです。しかし、出場させて頂いたこと自体は純粋に嬉しかったですね。そして、この時の悔しさが、また歌に励むきっかけになりました。

ーー演歌への情熱が、さらに大きな情熱に繋がっていってる感じですね!

全てが繋がって、『THE カラオケ★バトル』へ

―― そしてついに今回、『THE カラオケ★バトル』に出場されることになったと! 一体どういう経緯だったんですか?

大和 : テレビ番組の制作協力をされている、素人発掘のリサーチ会社の方が僕のTwitterをフォローしてくださったんです。
すぐに、こちらからレスポンスをしたところ、折り返しで「『THE カラオケ★バトル』の出場者候補にならないか?」という連絡を頂きました。

―― ツイッターのフォローからって、そんなことあるんですね……

大和:実際にカラオケで歌っている動画やお寺ライブの際の画像などをチェックした上で選考してくださり、正式に出場が決定しました。

―― これまでの全てが繋がって、そんな大舞台に!

大和: 本当にありがたいことです。
本戦の1回戦では、『NHKのど自慢』の時と同じ、村田英雄さんの「王将」を歌わせて頂きました。『NHKのど自慢』の悔しさが強かったからです。また、NHKのど自慢の時と同様に、棋士・阪田三吉に自らの思いを重ねたかったというのもあります。

ーー東京へ、2度目の勝負というわけですね。

大和:収録は東京で行なわれたのですが、行きの新幹線では「東京で関根名人と対局する前の阪田三吉もこんな気持ちだったのか」と想いを巡らせました。

ーー確かにぴったりな状況ですよね。

大和:おそらく阪田三吉は汽車で東京に向かったんだと思うんですが、僕の場合は新幹線でビュンと行けてしまったので、それほど「思案」をしている暇はありませんでしたが (笑)

―― 『THE カラオケ★バトル』ってかなりレベル高いイメージありますが……

大和 :藝術大学で声楽を専攻されている方など、いろんな方がいらっしゃいました。歌唱力だけでなく、出場者それぞれの経歴やキャラクターも含めて、レベルが高かったですね。
「井の中の蛙、大海を知らず」ということわざで言う、「大海」に来たんだと実感しました。けれども、その「大海」の荒波でサーフィンしてやろうという気持ちもありました。

―― 結果が気になるのですが……!

大和 : 何点獲得することができたのか。決勝に進み、優勝することはできたのか。その結果は5月24日(水)18:55-21:00に放送される『THEカラオケ★バトル』を観てのお楽しみ! ということで (笑)

―― 楽しみです (笑) 出場されるにあたって、周りの方も応援してくれたのではないですか?

大和 : 同じ研究室の先輩のツテで、なんと京都大学応援団さんからのエールを頂けることになったんです。わざわざ僕個人のために!

―― そんなことあるんですか! されてみたい!!

大和 : 練習にも身が入りましたね。本当に自分は縁に恵まれています。これからも1つ1つのご縁を大切にさせていただき、頑張っていこうと思います。

―― 将来目指すのは・・・?

大和 : もちろん、プロの演歌歌手です。
さらに詳しく言うと、自分と同じ世代やそれより下の世代に、もっともっと演歌を聴いてもらえるような、革新的な演歌歌手になりたいです。

―― 革新的、といいますと?

大和:今その一歩として、ヒップホップなどの他ジャンルとの融合について、京大軽音の人たちと相談し、アイデアを練っているところです。

――ジャンル融合型の演歌! それは革命的ですね!

大和 :また、現在持ち歌は5曲あるのですが、音源制作には至っておらず、「早く音源作ってよ」といろんな方に言って頂いております。早くレコーディングをしたいです。
そして、何事においても縁を大切にしていきたいと思います。

―― 本当に頑張ってください!これからも応援しております!

大和 : ありがとうございます。

編集後記

常に優しい雰囲気でどこか応援したくなる大和一郎さん。取材をしていて、彼の演歌への愛と周りへの感謝の気持ちを感じました。
詳しいプロフィールは以下に掲載します! ブログも連載されているそうですよ!

【プロフィール】
大和一郎
1993年11月18日生まれ、23歳
大阪市平野区出身
本名 : 藤倉大和
京都大学軽音楽部所属
2017年5月現在、京都大学大学院農学研究科 地域環境科学専攻 修士1回生。
2016年4月から、インディーズ演歌歌手としての活動を開始。京都において、バーやお寺を中心にライブを行なう。持ち歌は「男のブルース」「影法師」「渚物語」「一郎数え唄」「京都さすらい」の5曲。
2017年2月、宇治市で行なわれたNHK のど自慢本戦に出場。
2017年5月、テレビ東京系列『THE カラオケ★バトル』出場。

【告知】
『大和一郎の演歌一代・京大船』
大和一郎 公式Twitter アカウント
「THE カラオケ★バトル 全日本大学生歌うま王決定戦 2017」
2017年5月24日(水)18:55 - 21:00
テレビ東京系列 (京都では7ch / テレビ大阪)